敷板の樹脂素材と特性
樹脂製敷板(プラスチック敷板)の実用性能と特性は、使用されている樹脂素材によります。
現在市販されている樹脂製敷板の素材は、次の3種類に大別されます。
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ポリエチレン樹脂 (PE)、もしくは再生ポリエチレン樹脂
- 低密度ポリエチレン (LDPE) Low Density Polyethylene
- 高密度ポリエチレン (HDPE) High Density Polyethylene
- ポリエチレン樹脂を主材とした複合素材
- ポリプロピレン樹脂 (PP)
- 塩化ビニール樹脂 (PVC)
ポリエチレン樹脂(PE)
割れにくい樹脂がポリエチレン樹脂で、現場で使用されている樹脂製敷板の多くはポリエチレン樹脂です。
ポリエチレン樹脂は、分子構造と製造方法の違いから、低密度ポリエチレン(LDPE)と高密度ポリエチレン(HDPE)に大別されます。
軽くて割れにくい低密度ポリエチレン
低密度ポリエチレンは 柔軟で軽いのが特徴です。
板を曲げても破壊することはありません。(大変割れにくい)
スーパージュライト、ジュライト、ダイコク板は、実用性能を考慮し、材質については低密度ポリエチレン(LDPE)が採用されております。
その為、トラック、クローラなどの運搬車両の走行時でも、板が割れにくい、高密度ポリエチレン製の敷板よりも反りにくい、地面になじむという大きなメリットが得られています。
硬くて多少重めの高密度ポリエチレン
高密度のポリエチレンは、低密度ポリエチレンより硬めで多少重いという特徴があります。また、素材の物性的に、板を極端に曲げた場合にはヒビ、割れの可能性もあります。
複合素材系
最近登場したウッドプラスチック(ウッドプラスチックテクノロジー製)などが、ポリエチレン樹脂を主剤とした複合素材です。
ポリエチレン樹脂に特殊な技術を使用して木の粉を混ぜた素材で、100%ポリエチレン製板と比較し、圧縮強度等が強化されている点が特徴です。
また、素材の物性的に、板を極端に曲げた場合にはヒビ、割れの可能性もあります。
ポリプロピレン(PP)、塩化ビニール(PCV)
ポリプロピレン、塩化ビニール等の素材を敷板として使用した場合は、素材が硬いので「割れる」等の下記の様な問題があります。
使用される場合は、軽養生用途を対象とされる事をお勧めします。
ポリプロピレン (PP)
- 板が割れ易い
板はポリエチレン樹脂よりも硬く、曲がらずに割れ易い素材です。 - 低温時には非常に割れ易い
特に低温時には材質的にもろくなり、「非常に割れ易い」ので寒冷地での敷板用途には向いていません。 - 板の跳ね上がり
多少の起伏のある地面に対し、なじまず平滑を保とうとするので、板の浮いた部分をタイヤで踏んだ場合に、割れ、跳ね上げ、などを発生します。
塩化ビニール (PCV)
- 板が割れる
板はポリエチレン樹脂よりも硬く、曲がらずに割れ易い素材です。 - 板の跳ね上がり
多少の起伏のある地面に対し、なじまず平滑を保とうとするので、板の浮いた部分をタイヤで踏んだ場合に、割れ、跳ね上げ、などを発生します。
以上のポイントを踏まえ、お客様のご使用目的に最適な材質の板をお選びください。